今日は、岩本光弘さんの講演を聞きに、東京へ行っていきました。東京はみぞれ交じりの雨が降り、11月とは思えない寒さでした。
岩本光弘さん。熊本県出身で現在アメリカ在住、全盲のヨットマンです。
パワー全開、気合いだ!みたいな人を勝手に想像していたのですが、そうではありませんでした。
困難に立ち向かうための9つの思考
岩本さんの笑顔を絶やさない朗らかな語り口。語られたのは、精神論や根性論ではなく、全盲という困難に立ち向かわざるを得ない中で、生きるために編み出した様々な思考方法でした。
そして、思考方法だからこそ、自分にも模倣が可能だと思いました。その思考方法のうち、印象が強いものをいくつか紹介します。
1.目標を定める。
岩本さんの目標は、「目が見えていても希望を持てない人がいる。そういう人に希望を与えるために生きている」というものです。まさに岩本さんだからこそ発することができるメッセージです。これがあったから、その後様々なことに挑戦していけたとのです。
2.意思決定基準を持つ。
それは、目標達成に向けて自分がやりたいことなのかどうか。
3.リミッターをなくす。
周囲の人の言葉などにより、自分で自分の可能性に限界を設けていないか疑う。
4.選択に迷う時の判断方法。
取るべき行動の選択に迷った時は、それぞれの行動をとった場合の長所短所を全て書き出し、ランク付けなどにより軽重を付け、総点数で判断する。
5.自分の中に二人の自分を作る。
自分の中に、①目標に向かって進み続ける自分、②周囲の考えに流される自分、を置き、常に①に勝たせていく。
6.人を信じる。
世の中には様々な人がいるが、まずは見ず知らずの人であっても相手のことを信じてみる。
7.目標は公言し続ける。
岩本さんはヨットでの太平洋横断に挑んだのですが、これを実現できたのは、そのことを公言し続けたからです。
言い続けることで賛同する人が集まり、岩本さんのドリームサポーターとなった。そして、その人たちを大切にして、自分のコミュニティを作っていったのです。
8.人生のすべての出来事には意味がある。
ヨットでの太平洋横断は、出航6日目にヨットがクジラに衝突し破損したことで終わってしまいました。普通に考えれば、クジラは恨みの対象でしかありませんが、岩本さんはクジラに感謝していると言うのです。
事実は変えられませんが、その出来事に対する自分の評価は自分次第で変えることができます。
9.人生を豊かにする3つのもの。
「感謝」「絆」「希望」
これらの中には、エッセンスとしては、他のセミナーなどですでに聞きたこともありました。
しかし、岩本さんがこれらの気付きを得るまでの道筋は、全盲という過酷な環境で生きていくために氏が一歩ずつたどって来た道であり、そこには経験者のみが語れる重みがありました。
これまでの学びについて、さらに漆塗りをする有意義な機会になりました。岩本さん、本日はありがとうございました!