長野県東京事務所長、熊谷晃(くまがい・あきら)氏の講演に行きました。氏は、長野県が東京に展開中のアンテナショップ、銀座NAGANOの成功の立役者です。たくさんの話題の中から一部紹介します。
90年代初頭のバブル景気の頃から続いてきた一つの時代が、変わりつつある。今、求められるのは、形式より実質。非日常よりリアルな日常。
1.形式より実質が大事
見た目の良さより、それが自分にとって役に立つかどうか。
例えば食品のパッケージ。デザイン性の高いパッケージよりも、むしろ、透明で中身が見えるものが求められている。買い手は、中身が見えるという安心感(=実益)を求めている。
ネット上では、ミニマリストという言葉をよく目にします。これは所有する物を最低限にまで絞り込んで暮らす人を指します。このライフスタイルもやはり、「本当に必要な物は何なのか」を極めた結果、行き着くものです。
今の時代、このライフスタイルは「格好いい」と評価されます。数年前までは、「物がなくてかわいそうな(格好悪い)暮らし」と評価されたかもしれません。
若者が車を持たなくなったのも、持たないことが格好いい、と見られるからでしょう。
価値観の変遷
- 昔:車を持たない=貧乏
- 今:車を持たない=物に縛られていない
2.非日常より日常が大事
「Aさんにとっては日常だけど、Bさんにとっては非日常」というギャップを楽しむ。
自分にとっては当たり前の世界が、他の人にとっては知らない世界、ということはよくあります。
例えば、仕事に関する分野は当人にとっては日常の世界ですが、外部の人間にとっては未知の世界です。祭のような「誰にとっても非日常の世界」ではなく、「Aさんにとっては日常だけど、Bさんにとっては非日常」という世界の体験が、これからの時代には求められるのでしょう。
そう考えると、誰もが大なり小なり、「非日常である日常」を持っているはずです。自分にとって「非日常である日常」は何なのか。それに気付くことが、自分の強みを発見するヒントになりそうです。