映画「海賊とよばれた男」を観に行きました。百田尚樹の同名の著書が原作の、出光石油の創業者である出光佐三の実話に基づいた物語です。以前に原作を読んでかなり面白かったので、期待して観に行きました。その感想です。
1.目標を定め前進する
主人公・国岡鐵造の目標。国岡商店創業当初のそれは、「会社を大きくすること、店員(社員)を幸せにすること」。戦後はさらに「戦争で疲弊した日本を立ち直らせたい」という思いが加わりました。
このようなぶれない目標を掲げることができたからこそ、様々な逆境に置かれながらも、前進し続けることができたのです。
2.一見遠回りのようであっても、それは通るべき道
定めた目標に向かって進むうちに、一見、目標とは方向がずれていると見えることにも取り組まざるを得ない時があります。
国岡商店の場合、戦後、経済統制により石油の輸入ができなかった時代、石油販売会社でありながら、ラジオの修理などの仕事を中心としていた時期がありました。しかし、そこには「店員の雇用を守りたい」「国民に娯楽を提供できるラジオの修理は世のため人のためになる」という国岡鐵蔵の思いがあったのです。その思いがあればこそ、ラジオ修理業は国岡商店にとって、一見遠回りに見えてもそうではなかったのです。
3.目標と任務が明確なら、年齢の壁はない
終戦当時、国岡鐵蔵は60歳でした。当時は「人生50年」と言われていた時代です。今でも60歳と言えば定年退職の年齢であり、多くのサラリーマンが社会の第一線から退く年齢です。
その年齢から、日承丸の建造、イランへの日承丸派遣などの大事業を次々と行なっていった国岡鐵蔵のバイタリティーの源泉は何でしょうか。
それは結局、目標があること、だと思うのです。どうしても達成したい目標とそのための任務がある。しかし、まだ達成していない。このことが年齢の壁を越えて、彼を突き動かしていたのです。
4.それでも人生には終わりが来る。常に時間はない
そんな国岡鐵蔵にも寿命があります。映画では最後に96歳の国岡鐵蔵が登場します。自分のやりたいことがどれだけあっても、自分の寿命には勝てません。しかし、寿命という「締切」があるからこそ、人は様々な困難にも立ち向かうことができるのだと思うのです。
しかし、私を含め、多くの人は自分の寿命を意識しながら日々暮らすことはないでしょう。特に健康で若い人ほどそうかもしれません。しかし、日々自分の寿命を意識して暮らすことができれば、どれだけ日々が充実するだろうか、と考えるのです。
目標を持ち、人生の締切を日々意識して過ごすと、無駄にできる時間はどこにもないことに気付きます。
5.映画が長すぎる
この映画2時間25分です。これはちょっと長すぎでした。映画自体は面白いと思いながらも、途中何度か腕時計を見てしまいました。また、途中でトイレに立つ人がいたり、後半携帯のバイブレーションがあちらこちらで鳴るなど、長時間であることの弊害もありました。
今日の学び
- 目標を定め前進する。
- 一見遠回りのようであっても、それは通るべき道。
- 目標と任務が明確なら、年齢の壁はない。
- それでも人生には終わりが来る。常に時間はない。
今日の読書中
司馬遼太郎「関ヶ原(中)」